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「聞こえにくい」という問題を解決するためにはどの程度の大きさの音が聞こえるかを調べるだけでは事足りません。鼓膜とその奥にある中耳というスペース、その奥の骨の中の構造である内耳そして脳に繋がっていく聴神経とさらに脳までの聞こえの経路のどこに問題があるかを検査することにより適切な治療が可能となります。残念ながら加齢による聴神経の衰えや突発難聴発症後時間の経ってしまった場合、遺伝性の難聴など検査の結果回復不可能な場合も多々ありますが、聞こえの問題がある場合はなるべく早期に聴覚機能についての十分な検査をしておくことが必要です。標準純音聴力検査、ティンパノメトリ、耳音響放射検査、耳小骨筋反射検査、聴性脳幹反応検査などの検査を組み合わせることにより、聞こえにくさの原因を追究することが出来ます。当院では国家資格を持つ検査技師がこれらの検査を行い、医師がその結果に基づいてご説明し、可能な限り最善の治療をお勧めします。

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各種聴覚機能検査機器
(奥に聴力検査室)
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オージオメーター(標準純音聴力検査時系列記録装置)
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ティンパノメーター

各種の聴覚機能検査を組み合わせて行うことで聞こえの問題を詳細にあぶり出し、診断治療に生かすことが出来ます。

7種または8種の周波数の音についてどの程度小さなの音まで聞こえるかを調べて難聴のタイプと程度を明らかにします。聞こえの悪い方の耳を検査する際は検査音が良い方の耳に聴こえてしまうので良い方の耳に適当な大きさの雑音を入れることで正確な聴力が測れます。

外耳道内の空気圧を変化させることによって鼓膜や中耳内の耳小骨などの動きやすさ(コンプライアンス)を手軽に測定出来るものです。鼓膜や中耳にある耳小骨などの病気の存在を診るために大変重要な検査です。滲出性中耳炎、耳管機能不全、鼓膜癒着などの他、標準純音聴力検査やOAEなどと組み合わせて耳小骨離断や耳硬化症などにも有用です。

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​各種聴覚機能検査

OAE (耳音響放射検査装置)
インピーダンスオージオ
メーター(耳小骨筋反射)
聴性脳幹反応検査(ABR)

内耳にある聴神経末端である外有毛細胞の機能が正常である場合、外耳道から入力する音に対して、入力した音と異なる周波数の音が返ってきます。この反応を外耳道に入れたマイクで捉えるのが自音響放射検査(OAE)です。OAEが正常に記録されれば聴神経の末端の機能に異常がなく、また中耳に大きな問題が無いことが推定されます。

鼓膜⇒中耳⇒内耳と音エネルギーが伝わっていく一連の流れに対する抵抗(伝わりにくさ)を調べる検査です。機能性難聴の診断や内耳障害によくみられる補充現象を検出したり、また顔面神経麻痺の診断にも役立ちます。

聴神経の内耳から脳幹に至る経路に障害があるか否かを脳波を記録して検査します。クリック音と言われるカチカチという音をレシーバーで聴いて、この音に対する脳波上の反応を診るものです。聴神経腫瘍など内耳より脳に近い部分の病気を否定する必要がある場合に行います。

​耳の構造
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